
海上運賃の高騰と、買い負ける日本
シンクロジスティクスの一木です。
今回は、現在問題となっている海上運賃の高騰と、買い負けている日本の状況について共有させて頂きたいと思います。
■「買い負け」でコンテナが不足する日本
世界的にコンテナの海上運賃が高騰する中、アジア域内でも運賃の上昇が続いています。基本的に海上運賃はグローバルにおける需要と供給によって変動します。当然ですが、船会社はコンテナスペースが安定的に埋まるように、多くのスペースを高値で買ってくれる荷主を優先します。昨今のコンテナ不足の情勢においては、貿易に関わる全てのステークホルダーが利害関係を理解した上で、サービス提供を行う必要があると考えております。
現状では、日本は残念ながら中国・韓国・ロシアといった隣接国に海上運賃で買い負けることが多い状況です。海上運賃はドル建てであることが多く、円安の影響もあると思いますが、運賃高騰を理由に買い控えが続くと、船積み量が減少し、コンテナ船の寄港先として優先度が低くなります。実際に大手の船会社が配船する基幹航路における日本への寄港数は年々減少しており、私がこの業界で働き初めた12年前から半分ほどになっています。
■円安なのに輸出が伸びない
また、円安基調によって輸入量が減少していることも、日本にコンテナ船が寄港しづらい要因の一つです。日本向けの輸入コンテナが多ければ、荷降ろし後の空コンテナに輸出貨物を積載することでコンテナ船の稼働効率を高めることができますが、円安で輸入コンテナ量が減少している状況では輸出分の空コンテナが不足しやすくなります。そうなると、他国からの空コンテナ回送が必要となり、日本からの輸出における海上運賃には回送費用がオンされることになります。
こういった現状の中で、私は日本からの輸出量をもっと増やす必要があると考えております。日本の円安は歴史的な低水準であり、輸出量の伸びしろはまだまだ大きいです。1ドル80円前後だった10数年前と比べて輸出量は倍増していてもおかしくない状況ですが、実際の輸出量の伸びはそれほど、大きな伸びとは言えない状況です。
■優先すべきはコストかスペース確保か
輸出量の増加は円高に寄与していき、結果として輸入への好影響がございます。私はグローバルにおいてコンテナが不足している状態であっても、本当に価値ある製品やサービスであれば、グローバルにおいても買い負けずにスペースを取ることができると信じています。
だからこそ、輸出企業の皆さまにはもっと伸びていただきたいのです。「円安トレンドでラッキー」という受動的なスタンスではなく、むしろ円高に振れさせるくらいに輸出量を大きく伸ばす。こうした攻めの意識を持つことが、輸出入ともに潤沢にモノが巡るような好循環につながると思います。
その上で、フォワーダーに求められているのはグローバル基準で勝負する意識です。業務それぞれの効率や稼働率を意識することはもちろん、船積み全体をどうやって全体最適で組み立てていくかが重要になります。私たちがコンテナスペースを争う相手は、人口は10倍以上で高い海上運賃を支払いスペース確保を優先する中国のような諸外国です。
円安の好機に輸出量を最大化するためにも、グローバル競争の構造を理解し、海上運賃に関しては時価でスペースを買う意識や、一定量の物量を安定的に輸出する仕組みの構築に注力すべきと考えています。
弊社は創業当初から顧客に対して、『一台でも多く輸出されてください。』と一貫したメッセージを出し続けており、この原点を改めて胸に刻みサービスづくりに励んで行きたいと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございます。






