シンクロジスティクス新地 祐典

海外事業を指揮し、マネジメント改革を遂行。会社を強くするマーケティング・人材育成の秘訣

 

【プロフィール】新地 祐典 東日本エリアマネージャー
2013年3月に多摩大学グローバルスタディーズ学部卒業後、台湾に中国語留学をするも3カ月で断念。東南アジアを中心に放浪したのち、北京のオンライン旅行代理店に就職。4カ月後にカスタマーサービスのスーパーバイザーに就任。2016年4月シンクロジスティクスに入社。2019年4月に東日本エリアマネージャーに就任し、経営企画室や海外事業部、人事課を統括している。

 

履歴書では伝えきれない経験を評価してもらえた

10代の頃から海外に興味があって、高校ではアメリカに留学し、大学は語学に力を入れている学校を選びました。大学を卒業する頃には英語を操れるようになっていましたが、グローバルな人材になるには中国語も必要だと考え、卒業後は台湾に中国語の語学留学をしました。でも、英語と違って苦戦し、思うように習得できなかったため3カ月で断念したんです。笑

その後、東南アジアを中心に1年以上放浪し、中国のオンライン旅行代理店に就職。カスタマーサービスのスーパーバイザーをしていました。中国で働きながら学べば中国語を習得できると考えていたのですが、残念ながら業務で中国語を使う機会はありませんでした。結局、ビザの折り合いがつかなくなり、やむを得ず帰国することに。

帰国後は、海外と行き来できる仕事を探し始め、就活サイトでシンクロジスティクスを知りました。軽い気持ちで応募し、面接へ。いきなり社長面接だったのですが、日本企業にしては珍しく、履歴書だけでは伝えきれない海外でのさまざまな経験を評価してもらえました。

正直なところ、そのときは事業内容もよく理解できていませんでしたが、「この会社なら、自分の変わった経歴もポジティブに働きそうだな」と思い、入社を決意しました。

シンクロジスティクス新地 祐典

 

入社3年目で東日本エリアマネージャーに

私が入社した2016年は、シンクロジスティクスが福岡から関東に進出して間もない頃でした。川崎オフィスに配属されましたが、最初の3カ月間は、本社機能のあった福岡オフィスでOJTのような形で実務の基礎を学びました。

ところがその頃、同時期に入社したスリランカ人のメンバーが早々に辞めてしまったため、急遽一人でスリランカ関連のセールスやマーケティング、オペレーションを担当することになったのです。右も左もわからない状態でしたが、現地代理店のスリランカ人社長が優しい方で、色々と教えてもらいながら仕事を覚えていきました。

最初の約3年間はスリランカ関連の仕事がメインでしたが、新たにスリランカ人メンバーを採用してからは徐々に業務を引き継ぎ、海外事業課に加えて経営企画や人事・採用などコーポレートサイドの業務も担うことに。今では川崎オフィス全体の運営を統括しています。

 

お客様との関係性を構築し、0から1を作る仕事

現在、海外事業課にはスリランカ人1名、モンゴル人1名、長期インターン生が2名いて、それぞれ異なる業務を任せています。私は主に各国のマーケティングやセールスを担当し、お客様(=中古車の輸出業者)に提供するサービスの仕組みづくりや、お客様に自社を選び続けていただくための関係性構築に注力しています。

具体例を挙げると、日本にいるスリランカ人のお客様を20人くらいモンゴルにお連れして、現地とのコネクション作りや新たなビジネス開発のお手伝いなどを行っています。それによってモンゴル向けに中古車輸出を始めるお客様が増えれば、シンクロジスティクスに輸送業務をご依頼していただけるので、お互いにメリットが生まれます。

また、現地支店を持つことが難しいお客様に対しては、シンクロジスティクスが現地輸送に必要な事務手続きを丸ごと代行することをご提案します。お客様は各国の煩雑な事務手続きを手放すことができ、日本で中古車を仕入れ、売る業務に集中できるようになります。

マーケティングは、0から1を作り、1から10に育てる仕事だと思います。そのために重要なのは、安易に価格競争に巻き込まれず、付加価値のあるサービスを提供し続けること。お客様のニーズは年々多様化しているため、シンクロジスティクスではきめ細やかなオーダーメイドのサービスを徹底しています。

同じアジアでも、モンゴルやスリランカなど国によって商習慣は大きく異なります。そこをいち早くつかむことも、海外マーケットで事業を拡大するための大きなポイントです。

シンクロジスティクス新地 祐典

 

マネジメント方法を変革したことで、メンバーの意識が変わった

約1年前の組織改編に伴って、業務プロセスやマネジメント方法の見直しを進めています。組織改編は新型コロナウイルスの感染拡大の時期と重なるのですが、多くの社員が在宅勤務をするようになったことで、みんなの業務が健全に回っているか不透明な部分が出てきたためです。

それまでは、自分も含めて各自の業務が管理的に進められておらず、仕事をマネジメントする意識が全体的に低かったように思います。テレワークによってそういった課題が顕在化したため、各自の仕事を週単位でマネジメントし、週次ミーティングで進捗状況を確認するようにしました。

私は部下の仕事に細かく口出ししたくないタイプなので、正直なところしんどい面もありました。外国人に日本的なルールを徹底させることも簡単ではないですし。でも、このままでは事業が拡大するなか業務がうまく回らなくなる懸念があったので、覚悟を決めて取り組みました。メンバーも大変だったと思いますが、今では週次ベースで仕事を進めるスタイルが浸透し、うまく回り始めている実感があります。

何より、一人一人の意識が変わり、自主性が向上しました。1年前の自分が今の会社の姿を見たらびっくりするくらい、いい意味で変わったと思います。

 

仕事の“How”は指示しない。でも、コミュニケーションは丁寧に

ここ半年ほど、「とにかくリーダーが率先してがんばろう」というチームリーダー戦略に取り組んでいて、外国人のメンバーもインターン生もすごく成長してくれています。自分の仕事がうまくいくより、成長したメンバーの活躍がうれしいですね。

メンバーの育成で意識しているのは、業務の“How”の部分を指定しないことです。本人が困っているときは別ですが、私自身が方法を指定されるのが好きではないこともあり、仕事の進め方については細かく指示しないようにしています。

ただし、仕事の方向性についてのお互いの認識がズレないように、前提部分の説明はゆっくり丁寧にするように心がけています。外国人が多い部署なので、そこを含めて業務上のコミュニケーションは特に慎重に行っています。日本人の感覚を押し付けないようにするとか。

また、在宅勤務中は気軽にコミュニケーションをとりづらいため、メールなどは即座にレスポンスをするように意識しています。返答が遅れると、メンバーが迷子状態になって業務が滞ってしまいますから。

シンクロジスティクス新地 祐典

 

既存社員と新入社員の力を掛け合わせ、事業規模を2.5倍に

シンクロジスティクスは平均年齢が30代半ばと若い人が多く、外国人比率が高い会社です。多様なバックグラウンドや個性をもつ人が集まっており、それぞれの“ユニーク(個性)”を理解し尊重する社風があります。

また、この業界には紙文化が根強く残っていますが、社長の一木は早くからITに積極的に投資し、「La-plus(ラプラス)」という独自の業務システムを開発しました。業務のデジタル化を推進していることもあって、在宅勤務にも比較的スムーズに対応できています。

そんなシンクロジスティクスは創業8年目に入り、フレッシュな人材を採用して組織の若返りを図りたいと考えています。
求める人材像は、素直で前向きな人。ものごとを前向きに捉え、積極的にチャレンジする意欲がある人。これに尽きますね。学歴は重視しておらず、語学力については検定のスコアより実践的なコミュニケーション力の有無を見ています。

シンクロジスティクスの事業目標としては、今後2年で事業規模を2.5倍に拡大する方針です。それを実現するために、現在は社員一人ひとりの成長を促し、意識・スキルのレベルアップを図っているところです。各自が自立駆動できるようになってきたところに新入社員の方々が加われば、相乗効果が期待できると思います。既存社員と新入社員の力を掛け合わせて、目標を達成したいです。

 

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