【ロシア(ウラジオストック)出張レポート②】ロシア向け輸出の問題点と今後について

SYNC LOGISTICS 一木です。

先週に引き続き、1月16日から23日まで出張していたロシア向けの出張レポートについてご共有させて頂きます。

■ロシア向け輸出の問題点

今回、ウラジオストック港で訪問したのは

①輸出事業者様の現地法人

②ロシア向けのサービスを提供している船会社

をメインに訪問いたしました。現在、様々な問題が発生しているロシア向け輸出においての問題を解決したサービスを構築するには、もっとも大きなボトルネックを特定する必要がございます。当社はロジサービスを構築していく指針として、制約理論という考え方を採用しています。これはもともと、経営上のキャッシュフローを最大化するための考え方で、サプライチェーンと呼ばれる調達、製造、在庫管理、配送、消費といった一連の流れの中でボトルネック(他の工程と比較して最も処理量が少ない工程)を特定し、そのボトルネックの改善をやり続けることでビジネス全体を前進させることができるものです。

 

今回のロシア向けのように、様々な問題が発生している場合『富山港のYARDを新しく借りよう。』『船を新しくチャーターしよう。』『ロシアで会社をつくって、品質の良いサービスを作ろう。』といった施策が考えつきます。この際にボトルネックを特定してから制約が大きい順から施策を打つことが重要になります。

仮に搬入YARDの制限が頻繁にかけられ車両の買付けを継続出来ないといった問題が発生した場合、YARD拡大が選択肢に入るのですが、それが船積みの依頼が十分に来ている状態で起きている状態なのであれば、通関を切るリソースは十分に切れているのか? 船には十分なスペースが足りているのか? お車を販売するための写真は迅速に撮影され、お客様に共有出来ているのか?といった点の洗い出しを行います。その中で、単位時間当たりの処理工数が最も低い部分から改善することで、物流全体は改善されて参ります。

 

■サービス構築の課題

今回の出張で判明したロシア向け最大のボトルネックは”ウラジオストック港における車の荷降ろしスペースが縮小されている。”ことにあります。縮小の規模感としては2年前のスペースを100%とした場合、約70%の土地になっている感じです。船の運賃が大幅に高騰している中で、ウラジオストック港は韓国や中国からのコンテナ貨物を優先的に受け入れる方針に転換しております。自動車は立体駐車場などの設備を準備しない限り、平面でしか土地を活用できませんが、コンテナであれば積み重ねることで土地を立体的に使用することができます。加えて、コンテナ貨物を積極的に誘致することは様々な産業に活用できる物流が増加するため、中長期を見据えた経済の活性化にも寄与すると考えられます。また、中国の自動車メーカー(CEHRRY)がロシアへの販売を強化するために土地をまとめて借りる計画が進んでいるようで、更に日本の中古車が出しにくくなってしまうことが考えられます。日本からの輸出台数の最大化を標榜している当社としてはこの状況に適応したサービスを構築する必要がございます。

 

■今後について

現在、既存の荷降ろしスペースを最大限に活用したサービスの構築、ロシア側の荷降ろしスペースを拡大する企画を進めております。サービス自体は今春から開始させて頂く予定で、現在ご支援をさせて頂いておりますお客様から順次ご案内をさせて頂きます。また、国内の協力会社様の中でロシア向けの協業アイデアなどがございましたら、当社スタッフのお声がけ頂けますと幸いです。

 

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