日本における港湾運送事業者Part2

日本における港湾運送事業者Part2

 

SYNC LOGISTICS 一木です。

先週に引き続き、「日本における港湾運送事業者」について共有をさせて頂きます。

私が日本における自動車輸出に約10年間携わる中で実際に経験したことや、関係者にお話頂いた内容、関連書籍や法律を調べる中で感じたことを基にお話いたします。

 

■日本の港湾運送事業者は『社会インフラ』。

「港の仕事って、ブラックな業界なんですか?」
異業種の方々と交流する際、何度もこういったお話しかけを頂きます。映画やメディアの影響のせいか、業界外の方々から見るとそういった印象を受けるようです。

たしかに、1970年代くらいまでは
・船の入出港が今のように安定していなかったため、日雇い労働者が多い業界であった。
・荷役機器が発達していなかったため、腕力が強く威勢の良い方が多かった。

といった背景もあり、「ブラックな業界」というイメージがついていったのかもしれません。

しかしながら、輸送効率を圧倒的に向上させたコンテナの登場や法整備が整って行く中で、正規雇用で港における荷役のプロが集まるこの業界は、文字通り『社会インフラ』となりました。貿易立国である日本の高度経済成長、今日の暮らしを下支えをしているのが港湾運送事業者です。

 

■顧客視点と現場で働く方への敬意を大切にする。

2021年、グローバル化とICT化が急速に進んでいる現代において、貿易に関わる一人ひとりが「信頼を基軸とした成長」を追い求めていく必要があると考えます。

港湾運送事業者は経営陣だけでなく社員も含めた全ステークホルダーが「顧客の求めているサービス」を理解し挑戦をしていく必要があります。現在、物流・ロジ業界で伸びている港湾運送事業者は新しい分野に挑戦し、顧客視点を持ち合わせています。

一方で、日本には1万人以上の港湾労働者による労働組合があります。グローバル環境で競争をする貿易は浮き沈みが大きく、過当競争に陥る可能性が高いため、一定の保護が必要であると思います。
港には「待ったなし」(船が来ている時には、最優先で荷役を完了させる。)という言葉がもありますが、見方を変えると労働者を稼働させるための「都合の良い言葉」になりやすい特徴があります。

私が事業を拡大している時、ある港湾事業者様から
「君のお客さんはどんなサービスを求めているんだい?君はどんなサービスをつくりたいんだい?話してしてみなさい。」とお聞きしてくれたことはいつまでも忘れません。
こういった「顧客視点と現場で働く方への敬意」を持ち合わせた方が、この業界のトップ・マネジメントを担っていくべきである思います。

次回も引き続き、日本における港湾運送事業者についてお話しさせて頂ければと思います。
最後まで、ご覧頂きありがとうございます。