2022年の事業方針

2022年の事業方針

SYNC LOGISTICS 一木です。
今回は弊社の2022年の事業方針を共有させて頂きます。

■国内ストックYARDを2倍に拡大
日本における2020年からの自動車取り扱い台数の減少により、国内のストックヤードは縮小のトレンドが続きました。輸出事業者様の自社YARD縮小、フォワーダーにおいては港湾局や市から借りている土地の返納。また、大変つらいのですが同業他社様の廃業などもあり、日本から中古車の輸出出来るYARDは2020年に比べ減少しています。

一方で、昨年から船のスペース不足によって輸出車両の平均保管期間が延びております。また海上運賃の値上がりや、現地の受取人との調整が長期化もしております。その結果、保管YARDの拡大ニーズが高まっています。

当社は現場の作業効率の観点から戦略的に小規模のYARDを多く運営する手法を採用しており、今期は大幅にYARD数を拡大する予定でございます。立地によって100台程度のYARDであってもサービスを構築できる可能性がございますので、港近くに用地が生まれそうな際には、ぜひお声がけ頂けますと幸いです。

 

■船舶チャータリングサービス(フレートフォワーディング強化)

昨年から発生している海上運賃の大幅な値上がりや、船のスペース不足に対応するために本年は船舶チャータリングサービスに力を入れて参ります。既存サービスにおいても別ルートを開設するなどの動きを積極的にやっていく計画です。特に昨年は、中国の鉄道や空コンテナの不足によって、モンゴル向けの船積みにおいて多くお不便をおかけしたことを反省点とし、安定したサービスを提供できるように対策を進めて参ります。

また、2021年は日本国内への半導体や車の電気配線に使用するワイヤーハーネスの輸入が滞ったため、日本国内での新車生産台数が伸び悩んだ1年でございました。現在、状況は改善し急ピッチで新車の生産が進められている中で、2022年前半は「中古車のRORO船スペースは逼迫していく」と考えています。日本からの年間の自動車輸出は新車が約480万台、中古車が約120万台で構成されており、約4倍の開きがあります。大きな割合を占める新車の輸出が活発になれば、中古車に割り当てられるスペースは縮小されていくことが予想されます。昨年同様に多少高い運賃であっても船積みを進める意思決定や、買い手側にスペースの不足状況を事前にお伝えしていくことをお勧めいたします。

 

■3PLサービス

「3PLサービス」の内容としては、中古車輸出に関わる仕入れと販売を除いた部分を全て当社が請け負うものです。荷主企業様は本質的な商流にフォーカス出来ることで、輸出台数を伸ばし、自動車輸出に関わる関係者全ての成長(成功)を促進することができるサービスです。

現在、当社はNTTデータ様が主導する貿易プラットフォーム(Trade waltz)のコンソーシアムに参加させて頂いております。日本の輸出入手続きは欧米に比べ37倍の工数が発生していると言われております。

その理由は、例えば以下のように多くの障害があるためです。

  • 日本の船積みにおける情報のやり取りのベースがFAX(紙)ベースであること。
  • システムに業務フローを合わせるのではなく、業務フローに合わせてシステムを創ることが多いこと。
  • 船積みに関わる用語の定義や、船積みのルールに地域独特のものが多く標準化が難しいこと。

この難解な課題と自動車輸出に関わる皆さまの成功をクリアするためには、船積みを最上流からFORWARDERが受け切ることが最も実現可能性の高い方法であると考えています。

中古車輸出のピークが残り8年と言われており、「日本からの輸出台数を最大化すること」が当社の2020年代における最重要ミッションです。

 

以上。本年も社員一同、よろしくお願いいたします。
最後まで、ご覧頂きありがとうございます。