海運における日本の立ち位置

海運における日本の立ち位置

 

SYNC LOGISTICS 一木です。
今回は、「グローバルの海運における日本の立ち位置」について私の考えを共有させて頂きたいと思います。

 

■海上コンテナ輸送はいつから始まったのか?
私たちが創業時からの強みとしている『自動車のバンニング』。このサービスは世界中で流通しているコンテナを利用したビジネスモデルです。
もともと船の荷役はバラ積みと言われる個々の貨物を繰り返し積み下ろしすることで行っていたものが、1956年にマルコム・マックリーンという起業家がコンテナ単位でユニット化することを考案しました。

荷役する貨物が標準化されることによる大幅なコスト削減効果に加え「コンテナシール」と呼ばれる封印による信頼性の担保。貨物の破損や盗難の減少、更に輸送時間の大幅縮小といったイノベーションが起き、現在においても世界的物流網の発展に大きく貢献しています。

 

■日本(神戸)は世界一の港だった。
このコンテナ輸送は、1968年に日本からの輸出入にも開始されました。日本の港運関係者はこの新規性の高い分野での荷役方法を積極的に取り入れることで、コンテナの扱い量を一気に拡大しました。特に、1970年代には神戸港は、阪神工業地帯の輸出港として海上コンテナの取扱個数が世界一になるなど世界有数の港となりました。

私はこの革新的な変化に対して、スピーディな設備投資の意思決定をして実績を残した当時の港運関係者を誇りに思います。私もこれから起こる「DXを始めとした技術革新や市場の変化」に対して、最新の情報を手に入れ、未来に向けた意思決定を社内だけでなく社外の方々とも連携して進めていきたいと思っています。

 

■海運業界における「日本の立ち位置」
既にご存知の方もいるかと思いますが、東京、横浜、大阪、名古屋、博多といった日本の主要港は、現在グローバルな大手船会社からローカルポートに区分されています。海洋国家で、世界人口ランキングの上位10%以内の1億2000万人の人口を有する日本が船会社から見て「最重要でない」ということについてぜひ、みなさんと共有をさせて頂きたいです。

この2年間で、日本のドルベースの海上運賃は約2倍に上がったと言われています。
一方で、中国やヨーロッパのドルベース海上運賃は、約7倍に上昇したと言われています。
参考:https://www.sync-logi.com/ja/blog/0006/

海上コンテナの運賃は世界中の貨物需要に対して、供給されるコンテナ数のバランスによって価格が上下しますが、その割当ては高い運賃で売れる国から分配されていきます。加えて、船会社はコンテナ船の荷役料や入港料といったコストが低いほど、船会社としての利益を確保しやすくなる構造になっています。その中で、日本は「運賃に対してのコストが高い国」として区分されており、その結果、主要航路から外されていっているようです。

少し、苦しい気持ちになるかもしれませんが、私は全く問題ないと考えています。
事業拡大を目論む顧客(輸出事業者様)の存在がまだまだ日本にはいらっしゃいますし、これまで産業を支えて下さった皆様に加え、「若者」「女性」「外国人」といった活躍しやすい仕組みを創っていければ、輸出入を更に活発にすることは可能だと考えています。自社の社員はもちろん、パートナー企業様、お客様の成長を誰よりも信じています。
この記事を見て、「自分には何が出来るか?」を考えるきっかけになれば幸いです。

最後まで、ご覧頂きありがとうございます。