責任と権限の偏り~成長機会を分散させる

SYNC LOGISTICS 一木です。

今回は私が感じている業界内での課題のうちの一つ。責任や権限の偏りについて

ご共有をさせて頂きたいと思います。

■成長の機会『これ、どうしたらいいですか?』

 

約10年間、この業界で1万人以上の方々と情報交換を行う中で、ごく一部の人材に責任や権限が集中する特性があると感じています。

特に短期間で成長を遂げた企業様や、法律の解釈が難しく地域によって独特の対応をなされることの多い、港湾運送事業者様に多く見られます。

起こっている状況としては、現場の管理職(課長やリーダー)へ状況の報告があがり『これ、どうしたらいいですか?』といった相談が頻繁に上がり続ける。判断をして指示を出すが、判断理由を指示された側に伝わっていないため、都度、相談や質問が上がり続けてしまう。

期限を守るため、責任を果たすために、その管理職の方が自分で業務を行うため、早朝出社や残業を重ねている。みなさん、良く見にする光景ではないでしょうか?

 

■報告⇒意見⇒提案の3段階ステップを踏ませる。

私、自信も同じような状況に陥っていました。創業当初、社長とは名ばかりの

”会社のことは全て自分がやる。”を実践しておりましたので『これ、どうすればいいですか?』は毎日のように上がってきておりました。

加えて、この状態が常習化すると『これ、社長がやるように言っていました。』といった、意図や目的が不明確なまま、指示だけが1人歩きするといった状況が起こっていきました。

会社を大きくすればするほど、自分の手足に鉛が増えていく感覚は本当に辛く、

乱雑な指示になってしまい、更に状況が悪化する悪循環が生まれていました。

そこで私が取り入れたのは『自分は、どうすればいいと思う?』フレーズです。

そもそも、『これ、どうすればいいですか?』が頻繁に上がっている状態は、自分の意見や提案はしなくてもいいと思っている場合が多いです。

加えて、そのアクションを考えることが”自分にとっての成長”につながることを本人が認識していないことがほとんどのような気がします。

最初は無言の時間が続いたり、突拍子もないような発言が出たりすることもあるかと思いますが、必ず精度は上がってまいります。

 

■判断から決断へ(抜擢のもたらす効果)

さらに、飛躍的な成長をさせる方法は抜擢だと思います。

目的や意図を理解した提案ができるようになった人材は、”即抜擢”をおすすめします。

リスクと責任を伴う決断を経験させることで、その人材は飛躍的に成長を遂げていきます。自分が決めたことで結果が変わる。

この経験を積ませることが本人にとって多くの気づきをもたらします。

さらに、成功をすることができれば、本人にとっても大きな自信につながり、より大きなチャレンジができるようになります。

ですが、抜擢にはいくつかのポイントがございます。

 

①その人材が成功しそうな難易度及び、分野で抜擢する。

②成功に必要なスキル、フィードバックの機会を準備する。

③失敗した人材にこそ、もう一度チャンスを与える。

 

私自信、この①~③の部分に配慮ができなかったため、大きな成長軌道に乗せてあげられなかった人材がいます。

期待をかけた抜擢も、本人の能力をあまりにも超えた抜擢は失敗を誘発し、本人の自信を失わせてしまいます。

更にバックアップの体制も必要です。

また、失敗したとしても、リスクを伴ったチャレンジに向き合った人材は必ず成長していますし、その失敗経験をもとに大きな飛躍が期待できます。

この業界で働くみなさまが、適切なチャンス(機会)を得て、大きな前進を遂げていただくことを心から祈っています。

最後まで、ご覧頂きありがとうございます。