情報量の差を埋めていくことの大切さ

■社内における情報共有

 

今回は「情報量の差」という観点から、当社がやっている取り組みをご紹介いたします。

 

「これ、どう思う?」

 

社内の会議や、私が事業企画を進める際に、社員から情報を取得する場面がございます。

会社のビジョンや計画、その情報を私がどうやって使う予定なのか? 

といったことを理解し、的確な受け答えをする社員もいれば、目的や意味を勘違いした受け答えをしてしまう社員もいます。

 

この現象は、会社の拠点数を増やし始めた時期からよく見られるようになりました。

この状況は本当に辛く、すべて自分でやったほうが早いと思うことも多くございました。

 

この状況を改善するために、複数の取り組みを実施しています。

 

毎月、第1月曜日の朝8:30から全拠点をオンラインで接続し、直近の振り返りや、現在の状況、短期的な会社の見通しを、全社員に対して共有するようにしています。

 

開始当初は「社長の言っている意味がほとんどわからない」「早く自分の業務に取り掛かりたい」といった声が多くありましたが、現在では、大半の社員が私の話に注目して、理解しながら聞いてくれています。

 

私の言っている意味がほとんど伝わらなかったのは、私が、普段目の前の業務に集中している社員にとって聞き慣れない言葉を話してしまっていたり、中長期的な目線や抽象的な内容の話をイメージさせたりすることが難しかったからです。

 

できるだけ、全社員がわかるような言葉を選び、その結果、自分達にもどういった影響がでるのか? といった具体的な内容に変換をしていくことで、社員との考え方や方針共有が進みました。

 

その結果、徐々にコミュニケーションのズレが改善されてきています。

一つひとつの判断、発する言葉、行動のベクトルを揃えるために、前提となる状況の把握と現在における優先順位を共有し続ける。

変化の早い現代であるからこそ、大切にしていきたいと考えています。

 

■社外の方々と情報や方針を共有することの大切さ

 

現在、私が最も申し訳なく思っているのが、協力会社様への情報(方針)共有がおろそかになってしまっていることです。

 

当社のビジネスモデルは、顧客のニーズを迅速に汲み取り、自社スタッフ及び協力会社様と地域に根付いたサービスを構築することを強みとしています。

日本中で提供している自動車の輸出YARD運営事業は、お客様から見ると同じように動いているように見えますが、実際のサービスの組み立てはその地域によって大きく異なります。

 

港運事業者を中心とする私達の協力会社の方々には、各地域特有の制約の中で「信頼をベースとした貨物の受け入れ体制」を確保していただいております。

 

創業当時、私自身がその地域の方々と対話をし、サービスを組み立てながら未来に向けた情報共有をしていた時には、私達に対して疑念が出ることは比較的少なかったのですが、社員数が増え、権限を移譲していく中でそういった場面が多く出てくるようになってまいりました。

 

そういった中で「理念やビジョンを社内外に明確に発信し、体現する社員の育成を強化することによって、中長期的な成長を目指す」と決めたのが2019年頃のことでございました。

 

トラブルや起きた時や新規性の高いサービスが始まる時「今すぐに現場に飛んで指揮を取りたい」と思うことが何度もございましが「日本からの輸出台数を最大化する」には社員一人ひとりが、中古車輸出業界の当事者として、関係者と向き合いながら運営やサービスを構築するプロセスを経ていくことが重要であることを自分に言い聞かせ、経営にあたっております。

 

こういった状況の中で、一部の協力会社様に対して強いストレスやフラストレーションを与えてしまっている感覚がございます。

 

もともと、フットワークの軽さが私の強みの1つであったのにも関わらず「なぜ、会いにきてくれないの?」といったご苦言をいただくこともございます。

特に、当社の事業というより、私自身を信頼して取引を開始いただいた協力会社様に関しては不義理に思えるような振る舞いに見えているかと思います。

 

実際には、協力会社様に向けた思いが小さくなっていることはございません。

 

ロジスティクスを実践できる人材を1人でも多く育成し、より多くの方々と深く強い結びつきを得ながら事業規模を拡大していきたい思いは、より一層強くなっております。

 

■計画(ビジョン)を社内外と共有する機会を作る

 

現在、当社のマネージャー職以上と2023年以降の3年間の経営計画を策定しております。

来年度には、協力会社様を1つの場所にお招きし、発表会を開催したいと思います。

・私がなぜ、この会社の社長をやっているのか? 

私達がどういう考えのもとに仕事をしていて、今後どういったことをやっていくのか? 

といったことを明確に標榜し共有することで、これまでの私達では成し得なかったような事業領域や規模に挑戦して参りたいと思っています。

最後までご覧いただきありがとうございます。