株式会社タウ本社エントランス1

3PLサービスを活用し、物流コストの変動費化を推進。社内オペレーションチームを9名から2名体制に。

株式会社タウ様は、世界120カ国以上にダメージ車両や災害車両を販売・輸出している損害車リユースビジネスのパイオニア企業です。

当社は、物流業務の効率化・最適化を図るためにシンクロジスティクスを3PLのパートナーに選定し、すべての物流工程を一括して委託。物流コストの変動費化を実現し、セールス活動に注力できるようになったといいます。

シンクロジスティクスの3PLサービス(サードパーティー・ロジスティクス・サービス)を導入した背景や選定理由、今後の展望などについて、執行役員 販売部副部長の石田様と同部船積課リーダー早野様に伺いました。

(所属・役職は取材当時のものです。以下、敬称略。)

 

ダメージ車両のリユース・リサイクル事業をグローバルに展開

事業内容・販売部船積課の業務領域

石田:当社は、「あらゆるモノがリユース・リサイクルされる循環型社会の実現を目指す」という企業理念のもと、主に事故や災害などで損傷を負った車を修理して日本や海外のお客様に販売・輸出している会社です。

実は日本のダメージ車両や災害車両は安価で需要が高く、世界各国に年間100万台ほど輸出されています。我々は、ダメージがあっても修復・再利用できる車両を保険会社やリース会社の代わりに回収して自社オークションサイトで販売し、最も高値を付けたお客様にお届けしております。

輸出先は120カ国以上にのぼり、全世界に当社の販売ネットワークが広がっています。

我々が所属する販売部は、世界の新規マーケット開拓やオークションサイト運営などを担っている部署です。早野がリーダーを務める船積課では、オークションの落札車両を輸出する際の船積み手配・マネジメントを主に担っています。

タウ オークションサイト:https://www.tau-trade.com/sal_frt/

 

物流業務を包括的に委託する3PLサービスを導入

取引のきっかけ・委託内容

石田:御社とお取引が始まったのは約6年前、当時モンゴルのセールス担当をしていたスタッフが「モンゴル向けの中古車輸送に強い会社がある」と評判を聞きつけてお問合せをしたのがきっかけです。そこから輸出手配やバンニング作業を委託するようになりました。

最初はモンゴル向けのみでしたが、次第に他の仕向地のコンテナ輸送・RORO輸送もご依頼するようになり、現在では海外輸出のコンテナ輸送手配はほぼ100%御社に委託している状況です。昨年の輸出実績は1万2千台でした。

昨年までの委託範囲は、輸出する車をヤードに搬入してから船積みするまでの手配・作業に特化していましが、今年から3PLサービスに切り替え、すべての物流工程・マネジメントを包括的に委託しております。

3PLでの委託領域は、従来の輸出手配・船積作業に加え、各港のヤードまでの輸送手配や現地のお客様(荷受人)の対応、それらに付随する物流業者(船会社や運送会社、ドレー会社など)の手配などが含まれます。

 

3PLサービスに切り替えた背景・経緯

石田:物流業務を包括的にアウトソーシングすることにした背景には、事業拡大・収益改善にあたって「選択と集中」、つまり経営資源の最適化が必要だという経営判断がありました。

弊社のオークションサイトは世界中のお客様が利用しているため、販売国(仕向国)や販売数量はオークション結果によって変わってきます。輸出台数に波があるなかで、船積業務の人員コストは継続的にかかっていたという課題があり、3PLを活用してコストを変動費化する方向性が打ち出されました。

そして複数の業者を検討した結果、御社を選定したというのが大まかな経緯です。

 

対応力・情報力の高さが取引拡大の決め手

3PLのパートナーとしてシンクロジスティクスを選んだ理由

石田:御社を選定した主な理由は、「対応力・情報力の高さ」です。

相談ごとにはいつも丁寧・迅速に対応してもらえますし、物流のプロとして圧倒的なノウハウやネットワークをお持ちなのでとても頼りになります。また、御社の専門外のご相談をした場合でも、親身に対応してくださる。「物流会社だからこれ以上はわかりません」というスタンスではなく、何とかして問題解決につなげようという姿勢が強く感じられるのです。

早野:日々の実務においても、御社に相談やお願いごとをして断られたことがありません。必ず一旦受けてくださり、色々と調べて提案してくださいます。例えば、弊社が取引している船会社で船腹スペースが確保できないときに、別会社を紹介・ブッキングまでしてくださったり。

また、仕向地の情報が不足している場合、「この国へ輸出するにはこの様な修理が必要になり、概算はいくらです。」といった現地情報を提供していただくなど、御社の情報力の高さに助けられることも多いです。

石田: こうした御社の真摯な姿勢のおかげで、経営陣もラインのメンバーも、これまで安心して取引ができていました。取引拡大に至ったのは、信頼の積み重ねが大きいと思います。

弊社社長が3PLの委託候補としてお声がけした際も、御社は情報感度の高さ・レスポンスの速さが際立っており、現場が驚くほどのスピードで話が進みました。

早野:一木社長のビジネスポリシーのお話も印象深かったです。「お客様の成功が自社の利益につながる仕組みを作りたい」とおっしゃっていて、お客様のニーズや要望を重視する姿勢がタウのポリシーに似ていると感じました。そういった部分も、パートナーとして一緒に取り組めると判断したポイントでした。

 

現場サービスの品質

早野:複数車両を詰めて運ぶコンテナ輸送では、現地到着時に傷などのダメージがあってクレームを受けることがあります。その際、御社はきちんと検証し、御社に非があると判明した場合はしっかりと対応してくださいます。原因究明までしてくれる業者はほとんどないので、ありがたいです。

また、船積作業の予約期限を過ぎてしまった場合でも、現場に確認して急きょ作業体制を組んでいただけることも。臨機応変な対応のおかげで、いつもスムーズに輸送を進めることができています。

 

3PLの導入で物流コストを変動費化。セールス活動に注力できる体制を構築

3PLサービスを導入した効果

石田:物流業務をすべて御社に委託して3PLでの運用体制を構築したことで、我々はセールス活動に注力できるようになり、課題だった船積コストの変動費化も実現しました。人的リソースの面では、船積業務の人員を他業務に振り分けた結果、9名体制から実質1.5~2名に削減。オペレーション面・マネジメント面ともに効率化できました。

 

シンクロジスティクスと協業し、付加価値の高い海外物流サービスを構築したい

今後の展望

石田:今後は、戦略的に販売・輸出台数を増やす仕組みづくりを構築していきたいと考えています。そのためには、多様なお客様のニーズにマッチするサービス提供が欠かせません。例えば、海外のお客様向けに送金の利便性を高めたり、現地での物流を改善したり。

とはいえ、物流専門会社ではない我々のリソースだけでは、あらゆるお客様にご満足いただける物流ソリューションの構築は困難です。物流のプロである御社は圧倒的なノウハウやネットワークをお持ちなので、今後はビジネスパートナーとしてさらに関係を深め、船積みを軸とした物流サービスの改善・開発に一緒に取り組んでいけたらと思っております。

また、これまで取り扱い商材の9割近くは自動車でしたが、現在は新興国を中心に需要が高まっている建設機械や農業機械、フォークリフトの中古品輸出にも注力し始めているところです。自動車以外の商材の物流についても、御社に相談しながら最適化していきたいと考えています。

お客様にとって利便性の高い物流ソリューションを提供すれば、付加価値が向上して高値で落札されやすくなりますし、販売・輸出量の増加も見込めます。御社の取扱量も増えることになるため、お互いの利益につながります。

こうしたビジネスの好循環を御社と共に作り上げ、一緒に成長していくことを望んでおります。

株式会社タウ本社オフィス

写真:株式会社タウ様執務スペースの様子

 

企業紹介

株式会社タウロゴ

社名:株式会社タウ
事業内容:自動車・トラック、自動車パーツ、オイル等の買取・販売・輸出、オークション、人材サービス
従業員数:466名(2020年9月末)連結
URL:https://www.tau.co.jp/